『蓮』というと、夏が来た!という感じがしますね。
関東近郊には、蓮の名所が多々ありますが、神奈川の蓮の名所と言えば、横浜の観光スポットとして名高い「三溪園(さんけいえん)」が有名です。
蓮の花が咲くころ、毎年恒例の『早朝観蓮会』が開催されています。
私は以前より、このイベントに興味があったのですが、今年は、なんだか無性に蓮の花が見たくなり、少し早起きして、蓮の花に会いに行ってきました!
三溪園(さんけいえん)について
大池
横浜・本牧に広がる広大な庭園『三溪園』は、生糸貿易により財を成した実業家 原 三溪によって、1906年(明治39)5月1日に公開されました。庭園内には、重要文化財や横浜市指定有形文化財を含む、歴史的価値の高い建造物等が多く配置されており、1年を通して、四季折々の花々を楽しめる、多くの人々に愛されている庭園です。
蓮池
三溪園に生育している蓮について
三渓園に生育している蓮は、主に『原始蓮(げんしれん)』です。
原始蓮(げんしれん)とは
原始連は背丈が高かく、繁殖力の強い品種です。花びらが重なりあっていない一重咲きの大きな花が咲きます。
蓮(ハス)について蓮(ハス)
科・属名:ハス科ハス属
学名:Nelumbo nucifera
英名:Lotus
蓮の花言葉
「清らかな心」「神聖」「雄弁」 ・・・など
泥の中から清らかな花を咲かせるため、俗世間から現れた優れた人材にもたとえられ、インドでは聖者の花、中国では君子の花といわれています。
蓮の「めしべ」と「おしべ」
「めしべ」・・・花托(かたく・・・花の中心部の丸い部分)のぷつぷつした部分。開花2日目は黄色く、艶やかに輝きます。
「おしべ」・・・花托の周りにあるふさふさ。開花2日目の「おしべ」からは、みつばちを誘い、受粉を促す、甘い香りが出ています。
花から種へ~
種の詰まった、ドライの蓮の実は、よくお花屋さんに売っていますね。
なぜ「早朝」?
蓮の花は、明け方から咲き始め、7時~9時に見頃を迎えます。その後、花は次第につぼみ始めお昼頃には閉じるか散ってしまいます。そのため早朝より園が開放され、来園者は、咲いたばかりの蓮の花を清々しい空気の中で観賞できます。
蓮の花、4日間の移り変わり
(三溪園「早朝観蓮会」イベント時のボードより)
【1日目】 午前5時頃、外側の花びらがゆるみ出し、1分間に2mmの速さ!でゆっくり口を開けます。午前8時頃から閉じ始めます。
【2日目】 開花が最も美しい日!夜中の午前1時頃から開き始めます。午前7時から9時頃までに「おわん型」になり、色鮮やかになります。だんだんと閉じ始め、昼頃には完全に閉じます。
開花2日目には、おしべから出る甘い香りに誘われ、蜂がやって来ます。
蜂による受粉が終わると、めしべの先(柱頭)は褐色になり、花托の中で、種が成熟し始めます。
【3日目】 花は最大に開きますが、色はあせ、花びらが散り始めます。また、花の下の方が白くなります。
【開花何日目かの見分け方】 柱頭(花の中心のつぶつぶ)を観察してみると、2日目が花粉で黄色く、3日目が受粉を終えて黒くなっており、開花が2日目か3日目かがわかります!
昼間でも咲いているように見えるのは、3日目の花です。9時頃から閉じ始めた花が、半開きの状態で留まっています。
【4日目】 開花4日目には、花が散り、午後には花びらが一片もなくなり、花托(かたく)だけが残ります。
花托(かたく)
茎が折れて、花托が池の中に落ち、池の中で花托の周りがふやけて、種が落ちます。種から発芽し、花が咲くまで、3年かかるそうです!
「早朝観蓮会」開催日は、三溪園のシンボル三重塔と蓮が一緒に楽しめるスポットが特別開放されます。
ー蓮の葉や花托のアレンジー