初期症状
幹や枝に豆粒大のこぶが、樹木全体で1個ないし数個生じている。
幹や枝に豆粒大のこぶが、樹木全体で1個ないし数個生じている。
進行したとき
幹や枝に、豆粒大から握りこぶし大以上まで大小のこぶを多数生じ、枝がこぶの部分で折れたり、その先が枯れたりして、樹木全体の生育が衰える。
こぶ病とは?
こぶ病は樹木の枝や幹に発生し、表面がざらざらして盛り上がった褐色や灰褐色のこぶを生じます。こぶは、初めは豆粒大ですが、徐々に成長し、数年たつと大きいものでは人の握りこぶし以上にもなります。一般に古くなったこぶには凹凸ができ、さらに裂け目ができて割れたり、内部が腐敗して空洞になったりすることもあります。

▼枝や幹の生育が悪くなる
枝などのこぶができた部分は、組織が壊れて養分や水分を運ぶ働きが悪くなり、そこから先は生育が次第に衰え、ひどいと枯れます。また、こぶの部分は組織がもろくなり、そこで折れることもあります。そのため、こぶを多数生じると樹木は生育が悪くなり、庭木では観賞価値も下がります。
▼多雨や多湿で発生しやすい
雨が続く梅雨などの時期や、湿度が高いときに発生しやすくなります。
こぶは、病原菌が細胞を異常に増殖させるためにできます。病原は2種類あり、原因が細菌の場合はフジ、ヤマモモ、サクラ、レンギョウなどに、糸状菌(カビの仲間)の場合はマツに、それぞれ発生します。細菌の場合はこぶから菌が飛散したり、体に菌をつけた昆虫類が枝や幹に侵入したりすると発病するとされています。糸状菌の場合は、菌がマツと主にブナ科樹木との間を行き来して生活し、ブナ科樹木に寄生する菌がマツに飛散して病気を生じます。

▼こぶを早期に取り除く
こぶは周辺部も含めて切り取ります。それができない場合は、こぶができた枝や幹ごと切除します。発病が多いときは思いきって株を抜き、ゴミとして処分します。薬剤を使う場合は、こぶの切り口に殺菌作用がある癒合剤(ゆごうざい)を塗ります。病原が細菌の場合は発病した樹木と周辺の同種類の樹木に、マツの場合はブナ科樹木にも、それぞれ適用のある薬液を散布して予防します。
※薬剤を使用する際は、その薬剤の使用条件が、対象植物、病気や害虫、防除したい方法と合っていることを、ラベルなどで確認してください。