トウヒの仲間の育て方・栽培方法
育て方のポイント
育て方のポイント
栽培環境・日当たり・置き場
耐寒性が強く涼しい気候を好みます。暖地の平野部でも栽培可能ですが、夏に気温が高くなる地域では水はけをよくし、適湿な場所に植えつけます。大きく育つ品種は、生育後の大きさを考え、あらかじめ十分なスペースを確保して植えつけます。
水やり
鉢植えや、庭植えでも植えつけてから2年未満の株は、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。庭植えで植えつけてから2年以上たつ株は水やりの必要はありません。鉢植えでは、夏に土の表面が乾くようならたっぷり水を与えます。

肥料
庭植えは1月に有機質肥料を寒肥として株元の周辺に埋めておきます。鉢植えは3月に化成肥料を株元に追肥します。
病気と害虫
病気:特にありません。
害虫:ハマキムシ
ハマキムシは、口から吐く糸で針葉を束ねて巣をつくり、葉を食害するので、見つけしだい捕殺します。種類によっては枝や幹に食入することもあります。幼虫の多くは樹上で越冬するので、葉の密生する品種では枝に積もった古い葉を取り除いておきます。
用土(鉢植え)
水はけがよく有機物の多い土でよく生育します。赤玉土(中粒)2に、完熟腐葉土または樹皮堆肥1の比率で混ぜたものなどを使います。

植えつけ、 植え替え
庭植え、鉢植えともに適期は2月から4月中旬です。移植もこの時期に行えます。ポットで生産されている株は根を切らずに植えつけることができるので、特に植えつけ時期を選びません。庭植え、鉢植えともに、植え穴または鉢土の底に有機質肥料か緩効性化成肥料を元肥として入れておきます。庭植えの場合は植え穴を深めに耕し、土には堆肥または腐葉土を多めに混ぜて植えつけます。水はけがよくない場所では盛り土をして高植えにします。
ふやし方
タネまき:9月から10月ごろに熟した球果からタネを採取し、すぐにまきます。採取時期が遅くなり気温が低下した場合や、寒い地域では、採取したタネを乾燥しないようビニール袋に入れ密閉して冷蔵庫で保存し、翌年5月にまくようにします。ただし、タネまきでの繁殖は親と違う形質が現れることがあります。

つぎ木:2月から3月にふやしたい株から穂木を採取し、台木につぎます。台木はつぎ木を行う1か月前から暖かい場所で育て、休眠から目覚めさせておきます。つぎ木後すぐにつぎ木テープなどを巻いて、つぎ木部分が乾燥しないよう密着させます。なお、台木にはタネまきでできた株を利用することができます。
主な作業
剪定:樹液の流れが緩慢になる11月から3月に、樹形を乱す枝を切り戻すか間引くように剪定します。