ビャクシンの仲間の育て方・栽培方法
育て方のポイント
育て方のポイント
栽培環境・日当たり・置き場
日当たりと水はけのよい場所を好みます。特に葉色が黄色の品種は、日当たりがよいほうがきれいに発色します。
水やり
鉢植えや、庭植えでも植えつけてから2年未満の株は、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。庭植えで植えつけてから2年以上たつ株は、特に水やりの必要はありません。
肥料
庭植えは、1月ごろ寒肥(元肥)として有機質肥料を株元の周辺に埋めておきます。鉢植えは、3月に化成肥料を株元に追肥します。

病気と害虫
病気:さび病(赤星病)
さび病(赤星病)は2月ごろ葉に赤褐色の冬胞子層が現れ、4月ごろ雨に当たりオレンジ色のゼリー状になります。ビャクシン類には大きな被害はありませんが、4月から5月ごろナシ、リンゴ、ボケ、カイドウなどの特定のバラ科の樹木にさび病菌が移って赤星病を発生し、大きな被害を与えます。すべての品種で確認されているわけではありませんが、8月ごろにさび病菌がビャクシン類に移ります。これがさび病菌のライフサイクルなので、上記のバラ科の樹木かビャクシン類のどちらか片方がなければ発生しません。
害虫:イブキチビキバガ、スギドクガ
イブキチビキバガはごく小さな幼虫が葉の中に入って食害し葉先が茶色く枯れます。一見病気に見えますが、枯れた部分に針で突いたような小さな穴が確認できます。幼虫は葉の中で越冬し、5月、7月、8月から9月の年3回成虫が発生し、7月が最も多く発生します。卵からかえった幼虫はすぐに葉の中に入るため殺虫剤が効きにくいのですが、昼間に樹冠内に潜んでいる成虫に殺虫剤を散布して被害の広がりを抑えます。

スギドクガの幼虫は鮮やかな黄緑色の体に茶色と白色のまだら模様があり、一見刺されると痛そうに見えますが毒はなく、触れても痛くはありません。4月から6月、7月から8月の年2回食害を受けます。樹冠内部の葉から食べるため外からはわかりにくいので、食害を受けやすい時期は株元にふんが落ちていないか注意します。
用土(鉢植え)
水はけがよくなるよう心がけます。赤玉土(中粒)2、完熟腐葉または樹皮堆肥1の割合で混ぜたもののほか、市販の培養土でもかまいません。
植えつけ、 植え替え
コニファーはポットなどで生産されているものが多く、このような株は根を切らずに植えつけができるので、特に植えつけ時期を選びません。根を切って行う移植や、掘り上げてまもない根巻き株の植えつけは、庭植え、鉢植えともに11月から3月、または梅雨の期間が適期です。庭植え、鉢植えとも植え穴または鉢土の底に有機質肥料か緩効性化成肥料を元肥として入れておきます。

ふやし方
さし木:2月から3月が適期です。昨年伸びた各枝の先端から10cmほどの長さの穂木を採取します。切り口をカッターナイフなどで斜めに切り整えて2時間程度水あげし、鉢に入れた清潔な用土にさします。さし木後は乾燥しないよう鉢ごと透明なビニール袋に入れて密閉し、直射日光を避けた明るい場所で管理します。
主な作業
剪定:円錐形になる種類や生け垣など人工的な樹形に仕立てたい株は刈り込んで樹形を整えます。刈り込みは春の芽吹き前の2月から3月に行うと、茶色く変色する切り口がすぐに目立たなくなります。ほふく形や杯状形になる種類は、切り戻しや間引き剪定をすることで本来の自然樹形のような姿が維持できます。もちろん刈り込むこともできますが特徴的な樹形は失われます。