ジャーマンカモミールの基本情報
学名:Matricaria chamomilla(M. recutita、Chamomilla recutita)
学名:Matricaria chamomilla(M. recutita、Chamomilla recutita)
和名:カミツレ 英名:chamomile その他の名前:カモミール、カモマイル、ワイルドカモミール、ドイツカミツレ
科名 / 属名:キク科 / コシカギク属(シカギク属)
特徴
ジャーマンカモミールは、ヨーロッパ、特にドイツで薬用にされる一年草のハーブです。可憐な白い花にはリンゴのような香りがあり、風邪、頭痛、下痢などに薬草茶として利用されてきました。ドイツのコミッションE(薬用植物の評価委員会)では、治療目的での使用が承認されています。抗炎症作用がある成分カマズレン、アピゲニンを含み、ストレスによる胃の痛みなどにハーブティーとして飲用されています。かわいらしい花の姿や親しみやすい香りから、ハーブティーのなかでもたいへん人気があります。外用では、入浴剤やうがい薬としても用いられます。

直径2cmほどの花は、成熟するにつれて黄色い中心部が盛り上がり、白い花弁が反り返った形になります。黄色い部分は中空で、つまむとフルーティーな甘い香りがしますが、葉には香りはありません。
乾燥した花から水蒸気蒸留によって濃い青色の精油が抽出できますが、含有量が少ないため高価です。精油は、主に化粧品や香水、食品に利用されるほか、アロマテラピーに使われることもあります。
キク科植物にアレルギーのある方は、栽培にも利用にも注意が必要です。また、飲食用には適切に用い、多量摂取は避けます。
耐寒性があり丈夫で、一度植えればこぼれダネで毎年芽生え、庭のあちこちに広がります。秋まきにして3月上旬にリン酸分が多めの肥料を施すと、株が充実して花をたくさん収穫できます。

カモミールと呼ばれるものとしては、ほかにローマカミツレ属の多年草ローマンカモミール、カミツレモドキ属の多年草で染色に利用されるダイヤーズカモミール、ワイルドカモミールとも呼ばれるコシカギクなどがあります。ジャーマンカモミールの花はローマンカモミールとよく似ていますが、葉には芳香がないことで簡単に識別できます。また、ジャーマンカモミールはまれにワイルドカモミールと呼ばれることがありますが、ワイルドカモミールと呼ばれる植物はほかにも数種類あるので、利用するときには学名を確認しましょう。

種類(原種、園芸品種)
コシカギク(オロシャギク)
Matricaria matricarioides(M. discoidea)
ジャーマンカモミールの近縁種で一年草。アジア北部、北アメリカ原産。北海道から本州の空き地や道端にも、雑草として帰化している。欧米では、パイナップルウィード、ワイルドカモミールとも呼ばれる。花弁がないジャーマンカモミールのような花を咲かせ、葉と花にパイナップルのような香りがある。高さは15〜30cmほど。ネイティブアメリカンは、葉と花を薬用や香料に使用した。
ダイヤーズカモミール
Anthemis tinctoria
和名コウヤカミツレ。別名イエローカモミール、ゴールデンマーガレット。ヨーロッパと西アジア原産の耐寒性多年草。6月から7月に長い茎の先に黄金色の花を1輪咲かせる。花を染料として利用するほか、花壇の彩りに。