スイートバイオレット(ニオイスミレ)の育て方・栽培方法
育て方のポイント
育て方のポイント
栽培環境・日当たり・置き場
肥沃で水はけのよい土を好みます。暑さにやや弱いため、夏は強い日ざしが遮られて冬は日当たりがよくなる、落葉樹の下などが適しています。鉢植えは、夏は日陰の台の上などに置き、地熱から遠ざけて涼しく管理します。冬は日光に当てると、花つきがよくなります。鉢植えを台の上に置くことは、丈が低いニオイスミレの花の香りがかぎやすくなる点でもおすすめです。
水やり
高温乾燥期には、ハダニ防除のため、早朝か夕方に葉水を与えます。冬はやや乾かし気味にします。
肥料
庭植えにも鉢植えにも、元肥として緩効性化成肥料を施します。秋から早春にかけて、薄めの液体肥料を水やり代わりに施すと、花つきがよくなります。

病気と害虫
病気:そうか病
春と秋にそうか病が出やすくなります。
害虫:アブラムシ、ハダニ、ヨトウムシ、ツマグロヒョウモンの幼虫、ナメクジ
新芽や蕾にアブラムシが発生することがあります。高温乾燥期にハダニが、高温多湿期にナメクジが出やすくなります。温暖な地域ではツマグロヒョウモンの幼虫の食害が見られます。
用土(鉢植え)
水はけ、水もちがよい肥えた土を用います(例えば、市販の草花用培養土、または赤玉土小粒と腐葉土を1:1で配合したもの)。

植えつけ、 植え替え
植えつけ:庭では、落葉樹の下などに堆肥や元肥を入れ、株間を30cmほど間隔をとって植えつけます。鉢植えは、根の乾燥を防ぐためにやや大きく深めの鉢に植えます。
植え替え:花が咲き終わった直後に植え替えます。根が細く傷つきやすいので、鉢土はあまりくずさず、鉢の表面と底の土を取り、一回り大きい鉢に植え替えます。鉢を大きくしたくないときは株分けを行います。
ふやし方
タネまき:タネから育てることができますが、スミレの仲間は交雑しやすいので、閉鎖花から採取した自家受粉のタネをまきます。一度乾燥したタネは休眠して発芽しにくくなるので、開く直前のさやを見つけ、とりまきします。発芽にはやや時間がかかります。
株分け:花後の4月から5月ごろ、株が鉢いっぱいになっていたら、根を傷つけないように注意して鉢から抜きます。水の中で根を揺すって土を少しほぐしながら、古い根や枯れ葉、傷んだ葉を取り除き、株を整理します。伸びたほふく茎の先にできた新しい株を残します。

さし芽:4月から6月ごろ、伸びたほふく茎を1~2節で切り、水あげしてからさします。
その他:長く伸びたほふく茎の先の芽を、U字に曲げたワイヤーや石で土に固定し、発根させます。十分に発根したらほふく茎を切って株を切り離します。
主な作業
花がら摘み:咲き終わった花がらは、こまめに花茎のつけ根から引いて摘みます。タネをつけると花期が短くなります。
枯れ葉取り:背が低いニオイスミレは枯れ葉が残りやすく、見た目が悪くなりがちです。蒸れや病害虫の発生を防ぐためにも、枯れた葉は適宜取り除きます。
収穫:朝か夕方に、開いたばかりの花を収穫します。